This month's
story今月のお話

2017年5月の紹介

GUESS HOW MUCH I LOVE YOU

どんなにきみがすきだか あててごらん

Little Nutbrown Hare, who was going to bed,
ちいさなちゃいろいノウサギは,おやすみのじかん。
Held on tight to Big Nutbrown Hare's very long ears.
おおきなちゃいろいノウサギのながいみみにつかまって,ベッドへいくところ。
He wanted to be sure that Big Nutbrown Hare was listening.
ちいさなウサギは,おおきなウサギにきいてみたくなった。
“Guess how much I love you,” he said.
「どんなに,きみがすきだかあててごらん」

 2ひきのノウサギが,おたがいにどれだけ相手をすきだかきょうそうするおはなしです。腕を伸ばした大きさから,最後は月までいって戻ってこられるくらい,2ひきはおたがいをすきなんです。
 登場するデカウサギとチビウサギは“he”という以外,どういう関係なのかはっきりと書かれていません。作者のサム・マクブラットニィによると,物語にでてくる「大きなもの」はすべて父親だということですから,デカウサギに父親の姿を重ねたのかもしれません。サム・マクブラットニィは声に出して読みたくなる文章を書くことに定評があります。この作品も2ひきのノウサギのやりとりがテンポよく進んでいきます。
 水彩で描かれたイラストもほのぼのとした2ひきの関係を表現していますね。

 hareは穴にすまないウサギのこと。それと反対にrabbitは穴にすむウサギ。ラボ・ライブラリーの中でも,『ティム・ラッビット』のティムはrabbit。『ふしぎの国のアリス』の白ウサギはrabbitで,3月ウサギはhareです。

 子どもは幼いときには「ママのこと,すき」「パパのこと,すき」といってくれますが,いつの頃からかそんなふうにいってはくれなくなります。
 反対に大人はどうでしょう。「○○ちゃんのこと,大好きよ」と,いっていますか?今夜あたり,床に入ったら伝えてみてください。
“Guess how much I love you.”「どんなに,きみがすきだかあててごらん」と。