This month's
story今月のお話

2017年4月の紹介

The Sky Blue Seed

そらいろのたね

Yuji was flying his model plane in the meadow.
ゆうじは野原で,模型飛行機を飛ばしていました。
A fox came out of the forest and said,
キツネが森からでてきて,いいました。
“My, what a nice airplane!
「わあ,いい飛行機だなあ!
Won't you give it to me, Yuji?”
それぼくにくれよ,ゆうじちゃん」
“No, it's my favorite toy.
「いやだい・だいじなおもちゃだもん。
It's my greatest treasure.”
ぼくのいちばんのたからものなんだ。」

 キツネと取りかえた種からそらいろの家が生えてきて,どんどん,どんどん大きくなります。町中のこどもも,どうぶつも,とりたちも,そらいろの家にやってきます。そして,ついには……。
 そらいろの家にはたくさんの訪問者がやってきて,楽しい家になりました。いわばゆうじはみんなに幸せのおすそ分けをしたといえるでしょう。
 その反面,キツネは自分のほしいものは手に入れて独り占めしたい。そんなキツネに,「こまったもんだ」と思う人がほとんどでしょうが,でもキツネの「ほしい物はほしい」と思うのは,幼い子どもの気持ちそのものです。
 この物語について子どもたちはさまざまな意見をもちます。その意見を友だちとやりとりして自分の考えをまとめていく。そんな成長がほほえましいですね。けっして教訓的でなく,子どもがなにかを感じるとる絵本といえるでしょう。
 「このあとキツネはどうしたんだろう?」 気になるその後をイメージするのも楽しい絵本です。