This month's
story今月のお話

BEAUTIFUL BLACKBIRD とってもすてきなくろいとり

2021年7月の紹介

BEAUTIFUL BLACKBIRD

とってもすてきなくろいとり

A long, long time ago, the birds of Africa were all colors of the rainbow…
むかしむかし,アフリカの とりは,いろが いろいろ にじのよう。
clean, clear colors from head to tail.
あたまから しっぽまで あかるい あざやかな いろばかり。
Oh so pretty, pretty, pretty!
ほーら,とっても きれいだね。
Back then, though, birds had no marks of black on their feathers.
そのころは,はねに くろの まじる とりは いなかった。
From the tops of their heads to the tips of their tails, no markings of black, uh-uh!
くろい もようは どこにも ないよね。あたまの うえから しっぽの さきまで。
Whether large or small, Blackbird was the only bird who had it all.
いっぱい とりが いる なかで,クロドリだけが まっくろくろ。
One day Ringdove called the birds to a festival in the forest.
あるひ,もりの おまつりに ジュズカケバトが みんなを よんだ。
He asked them all to meet by the lake where he lived.
みずうみの ほとりに あつまろう。ぼくの ところへ いらっしゃい。
Birds flew in from all over.
とりたちは,あっちこっちから とんできた。

 「いちばん すてきなのは,この なかの だれ?」との問いに,鳥たちは「クロドリさん」と答えます。「くろい いろを わけて ちょうだい」と鳥たちにお願いされたクロドリは、魔法のひょうたんで黒い汁をたくさん作りました。そして、集まってきた鳥たちに、クロドリは黒いかざりをたくさんかいてあげ,鳥たちはおしゃれに変身するのでした。

 とりたちは「Black is beautiful(くろはすてき)」と,何度もくり返し歌います。それに対してクロドリは,「外側の色がかわっても,中身がかわるわけじゃない。生き方だって,食べ方だって,きみとぼくはちがうだろ」といい,内なる美しさ,そして個々の多様性を認めあうことの大切さを語ります。

 アメリカの絵本作家,アシュリー・ブライアンが,ザンビアのイラ語を話す人々の物語を,色鮮やかな切り紙のコラージュ・ワークで作成した代表作です。アフリカ系アメリカ人の彼は,アフリカに原点をもつ作品を紹介し続けており,この作品で2004年にコレッタ・スコット・キング賞(アフリカ系アメリカ人の作家やイラストレーターによる、優れた作品に送れらる賞)を受賞しています。

 リズムのいい英語で書かれたこの作品ですが,アフリカの民族楽器をふんだんに使用し,鳥たちの軽快な歌やダンス音楽も収録しました。ぜひ絵本とともに,アフリカの風を感じる音楽もお楽しみください。