This month's
story今月のお話

2017年1月の紹介

THE MITTEN

てぶくろ

An old man went walking through the woods.
おじいさんが もりを あるいていきました。
His little dog followed along behind.
こいぬが あとから ついていきました。
As the old man walked, he dropped one of his mittens,
おじいさんは あるいているうちに, てぶくろを かたほう おとして,
and went on without even noticing.
そのまま いってしまいました。
A mouse came scampering by, burrowed into the mitten and said,
すると ねずみが かけてきて, てぶくろに もぐりこんで いいました。
“I’ll make this my home.”
「ここで くらすことに するわ」

共同して生きる

 雪深い森のなかのできごと。ひとつのてぶくろに小さなねずみから大きなくままで,動物がつぎつぎに入って暮らし始めます。
玄関,窓,煙突ができてきて,てぶくろの家は少しずつできあがっていきます。動物たちはてぶくろの中で共同生活をはじめたのでした。
「ぼくは食いしんぼうねずみだから料理を作る!」
「私はおしゃれぎつねだからお風呂に入るの」
 動物になりきった子どもたちは,小さな家(てぶくろ)のなかでの生活をイメージすることができます。そしてそこで仲間とともにいっしょに,どうにかいっしょに生きていこうとするのです。さあ,こどもたちはどの動物が好きなのでしょうか。

民族性を表現

 ロシアの絵本作家ラチョフは,ロシアではじめて登場する動物に服を着せた作家です。『てぶくろ』に登場する動物たちは,みんな鮮やかな民族衣装を着ています。
 ラチョフは,絵本作りにたいせつなのは「小さな読者を理解し,かれらに愛情をもつこと」「絵をつける文学作品を尊重すること」だといいました。この絵本はまさにラチョフの絵本作りの姿勢を表現しているといえるでしょう。