This month's
story今月のお話

2020年9月の紹介

The Wolf And The Seven Little Goats

おおかみと七ひきの小やぎ

"How many leaves are there on a tree?"
「木には葉っぱがなんまいあるの」
"Ten."
「十」
"A hundred."
「百」
"A thousand."
「千」
"More, many more!"
「もっとさくさん」
"How many trees are there in the woods?"
「森には木がなんぼんある」
"A hundred."
「百」
"A thousand."
「千」
"Ten thousand."
「一万」
"More, many more!"
「もっとたくさん」
"How many dwarfs are there in those woods?"
「じゃ、森にいる小人のかずは」
"A thousand."
「千」
"Ten thousand."
「一万」
"A hundred thousand."
「十万」
"More, many more!"
「もっとたくさん」
So the baby goats were playing in the room of their home,
小やぎたちがへやであそんでいます。


 七ひきの子どもをもつお母さんやぎは、森にに出かけます。「おおかみには気をつけなきゃならないよ」。しばらくするとおおかみがやってきて,「あけておくれ。おかあさんだよ」と扉越しに声をかけてきます。「あけるもんか。おまえはかあさんじゃない」と、お母さんのことばを守ろうとする小やぎたち。けれどもついにはおおかみにだまされ,扉を開けてしまい、おおかみに食べられてしまいます。お母さんが帰ってきて、一番小さなやぎだけが助かったことを知り、いっしょに他のやぎを助けにおおかみのところへ向かいます。

 グリム童話のひとつであるこのお話は,昔話の典型と言えます。物事がとても具体的に運ばれていき,物語の筋が明確で,それが子どもたちに人気の一因となっているのでしょう。登場人物はやぎとおおかみの動物だけで,人間のように話したり,動いたりします。お母さんやぎはおおかみに気をつけることだけを子どもたちに伝えて出かけます。森の中にはほかにも危険な動物はいるでしょうに,お母さんが伝えたのはおおかみだけでした。そしてお母さんやぎはおおかみの足と声に気をつけるようにいい,小やぎたちはおおかみの足と声だけに注目し,白い足とチョークで変えた声で,お母さんだと判断して戸を開けてしまうのでした。

 グリム童話の故郷はドイツで,おはなしの舞台とされる町があちらこちらに点在します。この『おおかみと七ひきの小やぎ』の舞台といわれているのは,ドイツ中部のメルヘン街道にあるヴォルフハーゲン(Wolfhagen)。名前にWolfとあるようにおおかみと関係が深く、町の紋章には舌を出した黒いオオカミが描かれています。町の広場には「おおかみと七ひきの小やぎ」の像があり,旧市庁舎の地下の「グリム・メルヘンケラー」では,グリム童話に関連するイベントや展示会が開催されるそうです。

 ラボ・パーティの絵本は,野見山暁治氏による抽象画で大胆に描かれています。音声には、小やぎたちのかわいらしさや勇敢なところ、そしておおかみの怖さ、滑稽さが感じられます。秋の季節にどうぞ耳を傾けてください。できれば小やぎたちの好きな「きのこスープ」でもいただきながら。