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story今月のお話

2017年9月の紹介

HARRY the Dirty Dog

どろんこハリー

Harry was a white dog with black spots
ハリーは,くろいぶちのある しろいいぬです。
who liked everything, except... Getting a bath.
なんでも すきだけど おふろにはいることだけは,だいきらいでした。
So one day when he heard the water running in the tub,
あるひ,おふろに おゆをいれるおとがきこえてくると,
He took the scrubbing brush...
ブラシをくわえて にげだして……
And buried it in the back yard.
うらにわに うめました。
Then he ran away from home.
それから,そとへ ぬけだしました。


 家を飛び出したハリーは道路工事現場で遊んだり,鉄道線路の上ですすだらけになったり,仲間の犬と遊んで真っ黒になりました。力強い黒の線に,緑とオレンジで着色された絵は派手さはないものの,ハリーがどんどん黒くなっていく様子をあたたかい目で見守っているようです。そのような絵本の中で,泥んこ遊びが大好きな子どもたちは,まるでハリーといっしょに走り回って遊んでいるように感じるでしょう。
 けれどもお腹がすいてうちに帰ったハリーを待ち受けていたのは,まっ黒なハリーをハリーと気づかない家族でした。

 1956年にジーン・ジオンとマーガレット・ブロイ・グレアム夫婦によって作られたこの絵本には,子どものまわりにある日常の生活が描かれています。バスタブや自動車,子どもの遊び道具に,当時のアメリカの生活を垣間見ることができるでしょう。
 ラボ・ライブラリーでは,ジャズの軽快な音楽が主人公ハリーの冒険を後押し。アメリカ文化のひとつであるジャズのリズムが物語全体をつつみ,この絵本の世界観を表現しています。ぜひ耳にして楽しみたい作品です。