This month's
story今月のお話

2020年8月の紹介

The Thunder Boy

へそもち

One day the thunder boy made a storm.
ある日,かみなりこぞうが黒雲に乗っておでまし。
He beat the drums and drummed out the thunder.
Brrrrrooooommmmm!!!
かみなりこぞうは,たいこをごろごろ,どどーん。
The rain came down, and down, and down.
雨をざあざあ,ざあざあ,ざあざあ。
Everybody ran for shelter.
さあ,たいへん,みんな逃げ出した。
“Oh! I'm getting wet! I'm getting wet!”
“Come on, horse, hurry up!”
“Wow, is it pouring!”
The rain came down, and down and down. The thunder rolled and boomed.
雨はざあざあ,ざあざあ,ざあざあ。かみなりは,ごろごろ,ごろごろ,どどーん。
He hit his firestones together.
かみなりこぞうの火打石がカチッカチッ!
Suddenly there was a tremendous flash of lightning.
とつぜん,ものすごいいなずまがぴかっぴかーっ!
Can you see the fork of lightning, green and yellow?
いなずまはlightning。このいなずまは地面につきささるようにふたつにわかれている。フォークのようだね。
Around and around the thunder boy the six drums rolled and boomed.
Brrrrrooooommmmm!!!
かみなりこぞうはぐるぐるまわるむっつのたいこをごろごろ,どどーん。


 かみなりこぞうは嵐や雷をおこし,人間や動物のおへそをとって村の人々をこまらせていました。そんなある日,おてらのおしょうさんは五重塔のてっぺんに槍をたてて,かみなりこぞうを捕まえます。「もういたずらはしない」と約束するかみなりこぞう。「でも,へそをとらないと雨が降らせられない」。そこで村の人びとは,へそのかわりにへそもちをつくって,かみなりこぞうにあげるのでした。

 稲作が重要な日本で,かみなりさまが降らす雨は昔からたいへん貴重なものです。雷はむかしから神の怒り「神鳴り」と考えられていました。鳴れば稲妻が走り,大音響がして,落ちれば火事になることも。「雷さまにおへそをとられる」という言い伝えは,夏の夕暮れに夕立とともに雷が鳴り,急に気温が下がっておなかを冷やしてしまわぬよう,おとなが子どもに言い聞かせたものでしょう。

 ところでみなさんは,雷といえばいつの季節をイメージしますか。太平洋側にお住まいの方には雷は夏のものと感じられるでしょうが,日本海側の方には冬のイメージがあるようです。それは「雷が鳴ると雪が降るといわれている」からだそうです。みなさんの地域ではいかがですか?

 渡辺茂男氏がパリのエッフェル塔の上で思いついて書いたというこの物語を,赤羽末吉氏が描いた絵本作品です。「絵本は見るもの,めくると展開するもの」という赤羽氏は,横と縦のイラスト案を描き,空と地上の高さを表すのにこの縦型に決めたとのこと。またおへそをとられた跡をどう描くか苦心して,カエルのようにのっぺりとしたおなかにしたそうです。日本語は狂言師の野村万作氏が語っています。重厚ながらもどこかとぼけた感じの語りを,ぜひお楽しみください。