Q&AQ&A

テューターの声

石川 久美 テューター

ISHIKAWA KUMI

東京都三鷹市/会員数22名
2003年開設

物語を劇表現

みなさんは子どもの頃,お母さんや先生が読んでくれるお話を,夢中になって聴いたことはありませんか? すべての子どもは,お話が大好きなのです。 それが嫌いになっていく子がいるのは,読み終わった後に感想を聞いたり,記憶力を試そうと質問をしたりするからだといわれています。 そうではなく純粋に物語を楽しみ,その世界で遊んでいるととても楽しいものです。ラボ・パーティでは,そんなふうに心に浮かんだイメージのままパーティ(ラボの活動)にやってきて劇表現を考えるとき, お互いのイメージをぶつけあいます。役につけば役になりきってセリフをいいます。そうやって楽しんで使ったことばはなかなか忘れません。 ところで,絵本についている音声CDは,英語のセリフのすぐ後に,同じ意味の日本語がくっついて語られます。セリフは両方いうのですが,子どもは日本語でことばを楽しみながら,英語も自然に身につけていきます。

さまざまな年齢の子どもが一緒に活動

ラボ・パーティのおもしろいところなのですが,私たちラボ・テューターは「教える」ということをあまりしません。子どもたちが自分たちで学んでいく環境を整えてあげることが仕事だと思っています。 パーティに通ってくる子は,年齢も違うし理解度も違います。その子たちに「教える」ということになれば,おっしゃる通り,中学生に向けて話したらいいのか,小学校1年生向きに話したらいいのかわからなくなります。 でも,自分たちで考えさせるようにすると,お互いに意見をいいあうようになります。そのとき自分より小さい子に話す場合には,小さい子が分かるように話さなければ先に進みません。 むずかしいことをやさしく話すことは,ほんとうに理解していなければできませんから,大きい子にとってもとても勉強になるのです。いっぽう小さい子にとっては,おとなから頭ごなしに説明を受けるより, より自分の年齢に近いお兄ちゃんお姉ちゃんから話を聞くことの方が,より素直に聞けるのです。一方,幼い子の話は,ときどき常識で固くなったおとなの頭を揺さぶるような力をもつことがあります。 おとなにとって大きい子にとって,それは新鮮な驚きです。先生が一方的に教えて,それをひたすら受け身で聞いているという授業より,はるかにおもしろい活動です。

ラボの先生は日本人の成人女性

おとなでしたら,海外出張に行くとか社内のことばが英語になった,というようなことで「英語を勉強しなくちゃ」と,無理にでもやる気をだすことができます。 そこで知識とテクニックが身につけば仕事を果すことができるでしょう。でも,子どもがことばを学ぶというのは,そんな知識やテクニックより「子育て」という要素のほうがだいじです。 まず美しく正しい日本語,日本の文化・風習をしっかり身につけた上で外国語を習得することが,これから国際人になっていく子どもたちにとって必要不可欠です。これは,指導者が日本人でなければむずかしいことです。

英語の発音を気にされる方もいらっしゃると思いますが,発音を気にするのは,世界を見るとそれほど多くはありません。たとえばインドや東南アジアなどの人びとのは,それぞれの国のなまりが強くて分かりづらくても, 堂どうと世界を相手にコミュニケーションします。最もたいせつなことは,発音よりも話す内容なのです。

子どもが伸びていくためには,まず受入れられ,自信をもつことがだいじです。私たちラボ・テューターは,すべての子どもを受入れて認めてあげるということにかけては,ほかにひけをとりません。 子どもたちに寄り添い,彼らの自発的な活動を助けていくことを心がけています。